目覚ましい進化を続けているドライブレコーダー。その最新機能である「検知機能」をご存知でしょうか?
検知機能とは、ドライブレコーダーのカメラが「そこに写っているモノ」を検知し、その内容に応じて何らかのアクションを起こすという面白い機能です。
単に映像を記録するだけでなく、映像から読み取った情報を積極的に運転中のドライバーにフィードバックしてくれるわけですね。
すなわち、最新のハイテク車が持つ「AI自動運転」などと同じ発想の機能を、ドライブレコーダーも持ち始めたということです。
さらに検知機能には、駐車中であっても動く物体の監視をしてくれる「駐車監視機能」も含まれます。
このような機能が、手頃な価格帯(2万円前後)のドライブレコーダーにも付くようになってきたんですね。
ではこの機能は、どこまで使えるのか?
このあたりの最新情報を検証してみたので、レポートしてみます。
使用したドライブレコーダー
今回使用したのは、PAPAGO(パパゴ)製の【GoSafe S30】という機種です。
販売元のPAPAGO Japanによる公式ページはこちらになります。
GoSafe S30の製品紹介ページ
これを約3ヶ月間にわたり、様々なシチュエーションで使ってみました。
この製品は、私が愛用しているKENWOOD(ケンウッド)製のドライブレコーダー【KNA-DR300】と、形状や基本機能がほぼ同等で、また価格帯も近いところに位置しています(1万円台後半)。
すなわち、ガチンコのライバル製品です。
国内で最も人気が高く、ダントツの販売数を誇るKNA-DR300・350シリーズに対して、海外ブランドであるPAPAGOがどこまでその機能で勝負できるのか?
それが知りたくて、また付けてしまいました^^;
同時に使うと違いがよく分かって、なかなか楽しいものです。
私はこのPAPAGOのドラレコをカーアクセサリー記事では詳しい検証で定評のある「LaBoon!!」さんのサイトで知りました。
KNR-DR350との基本機能比較については、「LaBoon!!」さんのこちらの記事がとても詳しいので、まずは両者の概要をご確認ください。
パパゴ「GoSafe S30 PRO」のレビュー
動体検知(モーションセンサー)機能を検証
このドライブレコーダーには、下のような機能が備わっています。
パッケージの写真です。
この中で検知機能と呼べるものは、以下の4つです。
- 動体検知監視機能
- 速度制限標識検知機能
- 出発遅延検知機能
- ライト点灯忘れ検知機能
ではそれぞれに付いて、詳しく述べていきます。
1.動体検知監視機能
機 能
動体検知監視機能とは、高度な駐車監視機能です。
駐車時に車体の振動だけでなく、モーションセンサーと呼ばれるカメラの目で変化を検知します。
この機能を設定すると、カメラ前方に変化があった時だけ自動的に録画を行い、何も変化がなければ1分後に待機モードに切り替わります。
メリット
・動くものをすべて録画するので、人間の目と同様の駐車監視機能がある。
・記録録画の1秒間のフレーム数を落とす「タイムラプス」というエコな監視機能も付属しており、長時間の駐車時でも録画が可能。
デメリット
・オプション設定(別売)の、専用常時直結電源コードが必要(2,000円ほど)。
・通常録画とは別モードでの作動となるため、駐車の都度、設定をしなくてはならない。
・常に動きのある場所では連続録画となるため、バッテリーに負担がかかる。
コメント
いたずらをされやすい人通りの少ない場所に駐車する車には、最適な機能ではないでしょうか。
タイムラプス監視機能のほうを使えば、一昼夜でも録画が可能なので、この点においてもこころ強い装備です。
駐車時における「防犯カメラ」としての能力は、非常に高いと言うことができます。
2.速度制限標識検知機能
機 能
街中の速度制限標識をカメラが読み取り、「ピー」という音とともにモニター画面に読み取った速度を表示してくれます。
また、制限速度を約10km/h以上超過していると、「ピー・ピー」という警告音で速度超過を注意してくれます。
メリット
・走行している道の制限速度が分かる。
・走り慣れていない道では、特に重宝する。
・速度超過警告音は音量も大きく、安全運転に直結する機能である(特に高速道路)。
デメリット
・速度制限標識の数値誤認が多い。
・高速道路に多い「電光掲示板」方式の速度制限標識は認識しない。
・夜間は、ほとんどの標識を認識しない。
・速度超過警告音を出そうとすると、オプション(別売)の専用GPSアンテナが必要(4,000円ほど)。
・このGPSアンテナは別体式なので、配線や設置の手間がかかる。
ここから線を出して、
こんな感じでダッシュボードに設置することになる。
あまりスマートではないのですが、GPS感度はとても良いです。
コメント
走り慣れている道では、ビープ音が煩わしく感じることもありますが、これを頻繁に聞かされ、またモニターで制限速度を見せられることにより、その道の安全速度が頭にたたきこまれます^^;
また見知らぬ市街地などに入りこんだ時は、制限速度を知ることにより、その道の危険度などが推測されるのでとても助かります。
難点は数値の誤認ですが、これはとんでもなく高速方向の数値を表示します。30km/hのところを80km/hと表示したり、40km/hのところを110km/hと表示したりします。
なので、間違いにはすぐに気が付くので、ご愛嬌というところでしょうか。
速度超過の警告音は相当耳障りなので、そういう点からも安全運転を後押ししてくれます^^;
3.出発遅延検知機能
機 能
停止していた前の車が動き出し、かつ自分の車が発進しないてじっとしていると、「ツー」という小さめの注意音を出してくれます。
この時、モニター画面には、信号機(青が点灯)が表示されます。
メリット
・発進が遅れて、後ろの車に迷惑をかけることがなくなる。
・信号待ち以外でも、前車に動きがあった場合は教えてくれる。
デメリット
・前車からわずかに発進が遅れただけで、注意されてしまう^^;
・一番前での信号待ち時には無効である。
コメント
この機能は、退屈な渋滞時などには結講便利です。
退屈しのぎによそ見をしたりしていても、とにかく前の車が動いたことがわかります。
通常の街中走行では、多分に「いらないおせっかい」的な要素があるので、だんだんと「狼少年」化してくる傾向があり、聞き落すこともありますが。
少し本来の目的とは変わってきますが、注意音を出されないように前車と同時に発進するゲーム感覚的な訓練を積むことができます^^;
4.ライト点灯忘れ検知機能
機 能
ライトを点け忘れて暗い場所を走行すると、「ピー」という警告音によってそれを教えてくれる機能です。
モニターには、ライト点灯マークが表示されます。
メリット
・考えてみましたが、思いつきません。。。
デメリット
・ライトを点けていても、相対的に暗さが増すと警告音が鳴る。
・逆にライトを点けていなくても、街灯などが明るいと警告しない。
・トンネル内や雨降りの夜間などでは、点灯の有無に関わらずランダムな感じで警告音が鳴る。
コメント
ライトが点いているのか、いないのか? これは、カメラに教えてもらわなくても、自分の目で見ればわかります。
だからといって、この機能がまったく意味の無いものかと言うと、そうではありません。
なぜなら直前の走行状態に較べて相対的に暗さが増すと、きちんとそれを教えてくれるからです。
「ここは暗くて見えにくいので注意してね」といった感じですね。
思うに、この機能の名称が良くないのです。
「ライト点灯忘れ検知機能」
ではなく、
「暗闇走行注意喚起機能」
みたいな名前にすれば、非常に納得ができるのですが。
その他の機能
ここまでは、私が面白いと感じている「検知機能」について紹介してきました。
それ以外の機能についても、簡単にふれておきます。
高画質録画機能
PAPAGOさんのホームページを見ても、「LaBoon!!」さんの製品紹介ページを見ても、いの一番にこの「高画質録画」を、この製品の最大の特長として挙げておられます。
SONY製のExmorという高性能CMOSセンサーが使用されているとのことです。
では、どれほどの違いがあるのか?
愛用のKENWOODと較べてみました。
比較にあたっては、公正を期すため、どちらのドラレコにも、新品の16GBマイクロSDカードを使用しました。
わざわざ買いに行きました!
この記録媒体としてのSDカードですが、どんなドラレコであっても1年も使うと相当に画質は悪くなってきます。ボケたような画質になります。
ですので、定期的に交換することをおすすめします。
で、その画質比較の結果ですが、大きなパソコン画面でみると、確かにPAPAGOのほうがきれいでくっきりとしています。
その違いについては、Laboon!!さんがアップされているこちらの動画が秀逸です。
見比べてみるとPAPAGO GoSafe S30に軍配が上がるのですが、だからと言ってKENWOOD KNA-DR350が悪いかというとそうではなく、普通にアクシデントなどの映像を記録する目的であれば、どちらもじゅうぶんにハイレベルです。
しかしドラレコを、ドライブの記録として発展的に使われる方にとっては、鮮明なPAPAGOの画質は魅力的ですね。
ちなみにモニター画面もPAPAGOのほうが明るくて、録画状態の確認がしやすいです。
ドライバー疲労警告機能
ドライブレコーダーを機動してから設定した時間が経つと、警告音がなると同時に、「そろそろ休憩しましょう」というメッセージが表示されます。
設定できる時間は、30分、1時間、2時間です。
この機能は意外に便利で、高速道路での長距離移動時などに効力を発揮してくれます。
ドライブレコーダーとしての基本機能
ドライブレコーダーが備えておくべき基本機能は、私は以下の7つだと思っています。
- モニターは付いているか?
- 手動記録ができるか?
- イベント記録ができるか?
- GPSアンテナは内蔵されているか?
- 静止画を撮影できるか?
- 取り付けの容易さはどうか?
- 駐車のイタズラも録画できるか?
ドライブレコーダーおすすめ!7つの重要比較ポイントはココ!
この基本機能についてはGoSafe S30は、すべてを満たしています。
ただし、上記の4項と7項は別売のオプションパーツを買わなければなりません。本体に加えてこれらオプション類を揃えると、総額で25,000円くらいになります。
自分で取り付けする場合も、手間がかかる内容です。
このドライブレコーダーのキモとなる検知機能が、標準では片手落ちの状態であることは、いささか残念な感じがします。
すべてを装備していて、かつ価格も2万円以下に収まるならば、KENWOODの超人気モデル【KNA-DR350】に肉薄できると思います。
さいごに
カーエレクトロニクスは技術進歩が留まることを知らない世界ですが、ドライブレコーダーもその例に漏れず、目ざましい進化を遂げています。
今回、PAPAGOのドラレコに注目したのは、従来のドラレコの概念を、1歩踏み越えた機能があると感じたからです。
最新の自動車技術で注目すべきことは、自動運転や自動ブレーキが市販車レベルにまで広がりを見せているところ。
なんですが、、、
現実的には路上を走っている車の90%にはそのような最新機能は付いてないと思います。
普通の?車のオーナーである私たちにとって、リーズナブルな価格で、カメラの目による安全促進の検知機能が手に入ることは嬉しいことですよね。
将来は、AI自動運転技術がすべての機能を飲み込んでいくと思います。
カーナビも、ETCも、ドラレコも、あるいはレーダー探知機あたりも、AI自動運転というひとつのシステムに統合されていくだろうことは、容易に想像ができます。
それが完成するまでの間は、ハイブリッドな機能を有する「中間的でユニーク」なカーアクセサリーが次々と登場することでしょう。
今回取り上げたPAPAGOのドラレコも、そのような過渡的な製品だと思うのですが、だからこそ面白いんですよね。
AI技術黎明期の今を、ワクワクしながら楽しんでいきたいものです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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