スポークテンションの適正値は?動画でテンションメーターの使い方を解説!


自転車のスポークテンション(張力)の適正値ってご存知でしょうか?

普通は知らないですよね。でもこれを知っていると、ホイールをとても良い状態に保つことができるようになります。

スポークテンションの適正値を知っていると、ホイールの状態管理だけでなく異常の発生やスポークの寿命なども、トラブルが発生する前に察知できるので、安全にもつながります。

 

ところがこのテンションですが、スポークの太さによってかなりの差があるし、スポークの形状によっても測定値の基準値が大きく変わります。

ここではスポークテンションメーターを使って、スポークのテンションを管理する方法を動画を中心に分かりやすく解説します。

愛車のホイールのコンディション作りに、ぜひご活用ください。

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スポークテンションメーターの構造と使い方

まず最初に、スポークテンションメーターの構造と使い方について動画で説明しますね。

これだけでほぼ雰囲気は分かっていただけると思います。

3分45秒の動画です。

 

簡単でしたよね^^?

動画内で使用しているテンションメーターは、パークツール製のものです。簡易な形状をしており、使い方はシンプルです。市販されている他社のテンションメーターもほぼ同様の構造となっています。

 

元々はホーザン製のテンションメーターを長年愛用していたのですが、いささか重くてたいそうな測定器でした。

それと、ブレードタイプなどの特殊な形状のスポークのテンションが測りにくいんですよ。なんと言っても大昔からある測定器ですからね。どちらかと言えば自転車屋さん御用達ツールという位置付けだと思います。

測定精度はパッチリでしたが、もっと気軽にスポークのテンションを測りたいと思い、シンプルな構造で価格も手頃なパークツール製に変えたんですね。

これをゲットしてから、毎日のようにスポークの状態をチェックすることができるようになりました。

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スポークテンション測定値の換算方法

さて実際にスポークにどれくらいのテンションがかかっているかは、このテンションメーターに付属している換算表を見なくてはなりません。

換算表は以下の写真のようなものです。

表側は、主に断面形状が丸型のスポークについての換算表です。

 

裏側は、断面形状がブレード型のスポークについての換算表です。

 

例えば先程の動画では、測定したスポークは断面径が2mmのもので、その測定値は【20】と【27】でした。

これを換算表で見てみましょう。

まず断面径が2mmのスポークのところを見つけておきます(青枠の部分)。

【20】と【27】のところ、すなわち下の表の矢印の先の【70】と【153】がテンションとなります。

 

このテンション値ですが、単位はkgf(キログラム重)です。N(ニュートン)に換算するには10倍にすればオーケーです。

 

以上が換算の方法ですが、実際のスポークテンションの管理において重要なことは、次のふたつです。

スポークのテンションがこの適正値の範囲に入っているか?

スポーク間に大きなばらつきがないか?

 

1項はフリー側(進行方向右側)と、反フリー側の両方がこの範囲内にあることを確認します。

2項はそれぞれの側で、大きなばらつきがないかを確認します。

 

少しスポークが緩んできたりすると、顕著にこの測定値に数値の違いとして表れてきます。

そういう点においてもスポークのテンションを相対的に測り較べることのできるこのツールは、なかなか役に立ってくれます。

 

昔の職人さんはスポークを指で弾いて、その「音」の違いからスポークのテンションを知ったと言います。

確かにこの方法でもある程度は分かるものですが、特殊な材質や形状のスポークであったり、組み方によるスポークのクロスの状態などによって、まったく分からないこともあるんですね。

「音」はあくまでひとつの目安であり、やはり「数値で見える化」することは重要だと思います。

では次はブレードタイプ(エアロ形状)のスポークも測ってみます。

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ブレードタイプの計測方法

ここも動画で説明します。

3分40秒の動画です。

 

動画では測定値が【8】と低かったですよね。

そう、ブレードタイプのスポークは、薄っぺらくなっている方向に押し込むので、計測値がかなり低く表示されるのです。

これも大丈夫、ちゃんと換算表を使えば適正値はわかります。

 

事前にスポークの厚みと幅を計っておきます。

まず厚み。概ね1mmですね。

 

次に幅。2.2mmでした。

 

このブレードスポーク(1.0mm×2.2mm)の換算表で、先程の動画の計測値【8】のところを探してみると、

 

ありました!

反フリー側のラジアル組みされているところなので低めのテンションとなっていますが、ちゃんと適正値の範囲に入っていました。

 

こんな感じで測定していけばオーケーです。

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今回使用したスポークテンションメーター

今回はパークツール製テンションメーターを使用しましたので、簡単に紹介しておきます。

テンションメーターの表側は握力計のような形状です。

赤矢印の部分がスポークと接しますので、ここは常に汚れやサビがない状態を保つ必要があります。

 

裏側は、たったひとつのバネ視点でアームが取り付けられているだけです。

可動部はスムースに動くようにナイロン製のワッシャが組み込まれています。

 

ちゃんと日本語の取扱説明書がついています。

英語を含めて4ヶ国語で書かれた取扱説明書も付属します。

 

スポークゲージです。

1.5mmから2.16mmまでの6種類のスポーク径が測れます。ですが、別途ノギスを準備しておくことをおすすめします。

 

上記と、先に紹介した「テンション換算表」が付属します。

 

パークツール製以外にもスポークテンションメーターは、amazonや楽天市場で多数販売されています。性能的には大差ないと思います(価格には大きな差がありますが)。

仕様や価格の違いがすぐ分かるように、こちらに一覧をあげておきますので、どうぞ販売状況をご確認ください。

amazonでの販売状況はこちら

楽天市場での販売状況はこちら

同じ商品でも販売店によって価格差があるようですので、もし購入される場合は最安値店を探してくださいね。

 

さいごに

一昔前、具体的には手組みホイールが全盛を誇っていた10年以上前。あの頃はスポークのテンションを管理することは、必要不可欠な項目でした。

当時はリムそのものの強度が低く、すぐに振れるわ凹むはで、もう管理がたいへん。

それを全部スポークのテンションで調整していたんですね。だからある程度ホイールを使い込んでくると、よく走行中にスポークが切れましたよ。

走行中に「パーン!」と大きな音と共にスポークが飛び、次の瞬間からホイールはグニャグニャです(笑)

当時はニップルレンチがトレーニング時の必需品だったなぁ。

 

時代は進んで、今の完組ホイールはほんとうに強くなりましたね。ほとんどメンテナンスフリーで長期の使用に耐えてくれるようになりました。

とは言え、まだまだ「普通」のホイールは、クロスバイクやサイクリング車などにたくさん残っています。

もちろん、電動自転車に代表されるママチャリカテゴリーもそうですね、普通のホイールが大半です。車重が重く、負荷も大きいこれらのカテゴリーの自転車のスポークこそ、もっとテンションを管理する必要があると感じています。

重厚長大なホーザン製のテンションメーターしか選択肢がなかった昔に比べて、今は簡易な構造のテンションメーターが増え、管理がしやすくなったことは嬉しいことです。

この機会にテンションメーターをゲットして、あなたのマニア度をアップさせてはどうでしょうか?

本記事がご参考になれば幸いです。

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最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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6件のコメント

  • 2、3日前から何回と無くこの記事読んでいます。
    自転車のことは、全くわかりませんが、動画をきいています。
    PRIDEコミュニティでの講座が懐かしくて…

    元気のようですね。
    チャットもみています。

    私は1記事書きに3,4日かかってふーふー言っています。
    ちょっとお喋りしたくなってここに書いてしまいました。

    • 管理人

      上田さん、こんにちは^^
      コメントいただき、ありがとうございます。

      >自転車のことは、全くわかりませんが、動画をきいています。
      →ありがとうございます!

      超オタッキーな動画ですので、興味のある人にだけしか分からない内容ですよね(汗)
      BGMでセミがガンガン鳴いてますので、それをお楽しみください(笑)

      >元気のようですね。
      >チャットもみています。
      →もう、元気元気^^ 真夏は私の一番好きな季節です。

      上田さんに負けないように、新しいことにじゃんじゃん挑戦しようと思っています。今は思っているだけで何もしていないのですが^^;

      もうすぐ始動し始めますので、またメールを楽しみに待っていてください。

      酷暑につきどうぞご自愛のほどを。

  • リキマル

    こんばんは、UPされた時からチラ~チラと見ているのですが‥ 計測の方法は良く分かりました‥ 実際に使うとなると、なんか相当の覚悟が必要な気がして‥ 余り狂わない軽症の内に直すのが一番かな~ 左右に振れや、真円の狂いなど考えながら 一番緩い1本を締めた時他の全部のピアノ線にどのように利いてくるか‥ 調律より難しそうな気がします。

    最近暑いので、2階のクローゼットの点検口に30㎝(ファン径)換気扇を付けてみたり、車庫の中が暑いので、折版屋根にシルバーのペンキを塗ったりしています。 85mmの刷毛で塗っていますが、1回に塗るペンキの量は刷毛の毛足の半分づつとしています。 熱すぎるとペンキの乾きが早くて、延びづらいことも分かりました。 最近赤外線反射塗料が出回っていますが、この続きはまた何かの時に‥ 時間が出来たらスポークもいじってみたいです。

    • 管理人

      リキマルさん、こんにちは。

      >実際に使うとなると、なんか相当の覚悟が必要な気がして‥
      →あ、いえ、とても簡単です。スーチャー取り付けの1/100程度の勇気で使えます(笑)

      >余り狂わない軽症の内に直すのが一番かな~
      →もちろん、これが最善の方法ですね。

      >2階のクローゼットの点検口に30㎝(ファン径)換気扇を付けてみたり、車庫の中が暑いので、折版屋根にシルバーのペンキを塗ったりしています。
      →暑さ対策中に、熱中症にならないように注意されてくださいね^^;

      車庫の暑さ対策で効果抜群なのは、屋根に少量の水を流し続けることです。簡単なポンプを付けて一度お試しください。

      ただし、やりすぎると屋根の腐食が加速されるので、真夏の晴天時のみの実施をおすすめします。

      ご参考まで!

  • 辻本

    スポークテンションの調整を自分でチャレンジしてみようと思います。
    適性の数値はスポークの外径と表を照らし合わせれば良いとわかるのですが、フリー側と反フリー側の違いはどの程度が理想なのですか?ご教授お願いします。

    • 管理人

      辻本さん、こんにちは。
      コメントいただき、ありがとうございます。

      >フリー側と反フリー側の違いはどの程度が理想なのですか?
      →フリー側/反フリー側のテンション差の理想値は、ホイールの構造によって決まります。
      なので、定数的な理想値(比)は一概にいえないものだと思います。

      おちょこの量や、スポークの形状、ハブの形状、ニップルの形状などによって、左右のテンションは変化してくるものですからね。

      重要なことは、ホイールのセンターが出ていること。
      センターゲージで正しくホイールのセンターが出ていることを確認すれば、その時の左右のテンションの違いが、そのホイールの理想値と言えます。

      ざっくりとした感覚ですが、フリー側が反フリー側の2倍ほどになっていそうな感じです。

      以上、ご参考になれば幸いです。

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