ディスクブレーキが装着されている自転車で、避けて通ることができないメンテナンスは、ブレーキパッドの交換ですが、実はこれ、やってみると超簡単です。
今回はその交換方法を、シマノ製の油圧式ディスクブレーキを例にあげて紹介しますが、基本的な仕組みや交換手順は、他社のディスクブレーキも大きくは違いません。
この交換作業をショップさんに頼むと、たぶん結構な金額になると思いますが、それでなくても割高なブレーキパッドのことです。
ここは、DIYで楽しく交換して、経費も節減し、スキルを身に付けましょう(*^^)v
それでは、写真を中心に進めますので、気楽にお付き合いください。
交換作業の流れ
最初に、基本的な交換作業の流れを頭に入れておきましょう。
- ホイールを外す
- パッドピンを抜く
- ブレーキパッドを抜く(2枚)
- ピストン周辺を掃除する
- ピストンを押し戻す
- 新しいブレーキパッドを入れる
- パッドピンを通す
これだけです。
慣れれば、前後を交換するのに、ゆっくりやっても20分あればできます。
私が使用しているディスクブレーキは、シマノ製BL-M775ですが、シマノ製ならば上の写真のように、わかりやすいイラストの入った取扱説明書が付いてます。
もしあなたがメカに不慣れでも、「案ずるより産むが易し」で、この基本通りにやってみると、あっけなくできますよ♪
では、具体的な作業に移ります。
ブレーキパッド取り外し
最初にブレーキパッドの交換に必要な工具ですが、以下の3点です。
上から、
- 3mmアーレンキー(六角レンチ)
- ラジオペンチ
- 適当なドライバー
これだけで、特殊な工具などは必要ありません。
まずホイールを外しますが、できればフレームをメンテナンススタンドなどで、宙吊り状態にしたいものです。
メンテナンススタンドが無ければ、自転車を逆さまにしましょう。
下の写真の①のスナップリングを、ラジオペンチで引き抜き、②のパッドピンを、アーレンキーで緩めて、抜き取ります。
ブレーキパッド一式を抜き取ると、ピストンが飛び出しているのが良く分かります。
ピストンは、ブレーキパッドが摩耗するほど飛び出してきます。
下の写真は、後輪のキャリパーです。
キャリパーの内側や外側は、ブレーキダストでコテコテに汚れていますので、パーツクリーナーやブラシなどを使ってきれいにお掃除しましょう。
さて、この時の注意点ですが、ブレーキパッドを外している時は、ブレーキレバーは、絶対に握ってはなりません。
不用意に握ると、どんどんとピストンが飛び出し、最悪の場合、ピストンが元に戻らなくなったり、外れたりします。
ピストンの側面を掃除する時の、ちょっとした工夫を紹介します。
車やパイクのディスクブレーキのキャリパー内には、歯ブラシが入るのですが、自転車の場合は隙間が狭いので、歯ブラシは入りません(´Д⊂ヽ
私は、写真のような小さなブラシ(もともとは髭剃り機の掃除用ブラシ)を使って掃除してます。
掃除後の前輪のキャリパーの写真です。きれいでしょ?
ピストンの側面を、特にきれいにしました♪
ピストンの押し戻し
次の作業として、左右のピストンをキャリパー内に押し戻していきます。
ピストン間にドライバーの軸部分を入れて、ピストンをこじらないように気をつけながら、ドライバーを右、左と静かに振りながら押し戻していきます。
ポイントとしては、力を入れていっきにやらないことです。
いっきにやろうとすると、ピストンに傷をつけたり変形させてしまうことがあります。
ゆっくりとドライバーの柄を左右に振りつつ、ジワーッと力をかけていって、ピストンの頭が、キャリパー内壁とツライチになるまで押し戻していきます。
ピストンが順調に引っこむと、下の写真のような状態になります。
新品ブレーキパッドの装着
まず、取り外した使用後のブレーキパッドと、新品のブレーキパッドの、新旧比較をすると、こんな感じです。
■前輪(レジンパッド)
どちらが「新品」で、どちらが「使用後」かは、一目瞭然ですよね。
いやー、それにしても、えらいことズタズタになってるわ(^^ゞ
シマノ製ディスクブレーキの場合、これくらいブレーキパッドが摩耗すると、「ブレーキパッド押さえバネ」がローターに当たり、異音が出ることによって交換時期を教えてくれます。
■後輪(メタルパッド)
メタルパッドのほうが、なんとなくきれいに摩耗してます。
やっぱり、パッドが硬いんでしょうね。そりゃそうですね、金属が入ってるんだもの。
新品のメタルブレーキパッドの、メタリックな輝きもいい感じです♪
では、装着作業です。
まず片方のブレーキパッドの上に、「ブレーキパッド押さえバネ」を写真のように重ねます。
ブレーキパッド押さえバネは、ブレーキパッドに付属で、同梱されています。(ディスクブレーキの形式によっては、バネが付いていないものもあります)
その上に、もう一枚のブレーキパッドを重ねます。
そのままの状態で、指で挟んで持ち上げます。
キャリパーの中に、滑り込ませるようにしてセットします。
あとは、パッドピンを通して、スナップリングをセットして完了です。
以上で、交換作業終了です。あとは、ホイールをセットするだけです。
ホイールをセットしたら、ブレーキパッドがローターに当たるまで、ブレーキレバーをシュコシュコと握ってください。
これをせずに、いきなり走ってはいけません!危険です!
以上ですが、簡単だったでしょ?
前輪も、後輪も同じ要領でできます。
交換直後は、ブレーキパッドにアタリが付いていないので、ローターと擦れて、シャラシャラという音がすることがありますが、気にしないでおきましょう。すぐに馴染みますので。
その他のちょっとした情報
上でも少し紹介したのですが、私の場合は、
前輪にはスピードコントロールのしやすいレジンパッドを、
後輪には、ガッツリと効く、制動力の高いメタルパッドを使用しています。
今回はこの組み合わせで、この自転車として4セット目の交換です。
かなり使い込んできた感じなので、ここでローターの摩耗量を測ってみました。
まず、前輪ですが、平均で、1.39mmでした。
次に後輪ですが、平均で、1.35mmでした。
新品の時の、ローターの厚みを測っていなかったので(^▽^;)、なんとも言えないんですが、やはりメタルパッドは、ローターへの攻撃性が強そうです。
すなわち、ローターを傷めるワケですね。。。
あ、デジタル式のダイヤルゲージですが、電池切れだったのはご愛嬌ということで(笑)
最後に
自転車のディスクブレーキは、とても優れたシステムだと思います。
ブレーキとしての性能はもちろん、メンテナンス性についても、コツさえつかめば、むつかしくはありません。
ただやっぱり、ブレーキパッドなど消耗品の交換費用は、高くついてしまいます。
得られる性能のことを考えると、価値はあるんですけどね。
私は、通常はロードバイクを愛用しており、マウンテンバイクは、年間を通じて、冬場の4ヵ月間ほど乗るだけです。でも、ブレーキパッドの交換は、ほぼ毎年してます。
で、1回で前後ともに交換すると、これくらいかかります。
さらにローターも、後輪側が、ガシガシになってきてるので、これも来年あたりには、交換の必要がありそうです。
人によっては、「Vブレーキのブレーキシューよりも、ディスクブレーキのブレーキパッドのほうが寿命が長いよ」との声もあります。
しかし、私の使途(平たん路は走らず、アップ&ダウンばかり)では、明らかにブレーキパッドのほうが、ブレーキシューより早く摩耗します。
Vブレーキのブレーキシューも、ウェット路面ばかり走るとよく減りますが、ドライ路面走行では、そうそう摩耗するものではありません。
でも、ディスクブレーキの場合、ドライでもしっかり減るんですよね(ToT)
それでもやっぱり、一度ディスクブレーキのフィーリングを知ってしまえば、おいそれとVブレーキには戻れません(キッパリ)
だからこそ、最低限のメンテナンスであるブレーキパッド交換は、身に付けておきたいものです。そして、自分でメンテナンスする楽しみも味わいたいですしね。
ということで、今回の記事があなたのサイクルライフのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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こんばんは、シマノとあったので今までパスしていたのですが、しかも油圧だし(メカだし=私)でもちょっと顔をだしちゃいました。手順1.にホイルを外すとありますが、意味不明です。キャリパーをディスクローターから外すで良いですか?(私はそのようにやっていますが)油圧と違うのかな?もうちょっと詳しく書くと、スラスト調整ネジでなくキャリパー取付ネジを緩めて外す。私のバイク2台共違うので、(マングースの方はキャリパーがフローティングでないので、少し調整がシビアです。まてよ!キャリパーは両方固定なのかな、でももう1台はスラストをある程度干渉してくれます。ビモーターじゃないからディスクがフローティングのはずはないし?(一人芝居してますか‥ )
ディスクパットも、両方ウチワ型です。丸いうちわと四角いうちわ
減り方は、かげさんの言う通りパットの方が早い気がします。メタルではありませんが、今度はメタルにしようと思います。ネットショップの店長さんは、メタルを奨めてくれましたが。
そうそう、私もアップダウン専門です。そうそう、ドライでもビンビン減ります。が
もうリムブレーキには戻れません。二人で言ってるだけだったりして‥
そんなことは、絶対ありませんよ。
リキマルさん、こんにちは。
「ホイールを外す」は、分かりにくかったかもしれません。フレームからまず、(ローターの付いている)車輪を外すという意味です。
パッド交換時には、キャリパー本体を外したりズラしたりする必要はありませんが、ローターは抜かなければなりませんので、よって「ホイールを外す」という表現になりました。
私の使っているキャリパーは固定式で、確かに位置調整はシビアになります。よって、ここはできるだけ動かしたくないところでもあります。
ディスクブレーキは、パッドも減りますがローターも減りますね。。。特にメタルパッドでは。
パッドのように目視ですぐにわからないのですが、計測するとしっかりと減っているので、ちゃんとした管理が必要なパーツです。
こう考えてくると、あれこれ不便なところも多いわけですが、それを凌駕する性能があるので納得しています。
もう少し、パーツが安くならないかな^^;
こんばんは、本日は晩くまで起きているんですね(何時もかな)むずかしい漢字がありますね
IMEパッドに入れてと、かでいいんだ、じゃあ「りょうか」かなーんて
ローターも確かに減っていますね、もうすでに段差が出来ています。
スタンドはないし、ひっくり返すのも大変だし、もう一台は後輪にモーターが付いているし、
本当は、電力回生が出来ると思って購入したのに、(ブレーキの減りを少なくしたかったのに)返品したいです。
リキマルさん、こんにちは。
読みにくい漢字で、すいませんでした。
「ローターも消耗品である」という意識は、自転車に乗る人には希薄だと思います。
ここは、ディスクブレーキ仕様車を使う時の、要注意ポイントとなりますね。
このあたりも、記事に追記していこうと思います。
いつも、ありがとうございます。
こんにちは、車の場合はディスクローターは余り交換は聞かないです。厚いから減ってもかなり使えるし、しかしBMはパット2回交換毎にローターも交換して下さいね。と購入時に脅かされました。パット何回毎にという感じで出して頂ければ良いと思います。メタルパットの場合も同様です。メタルといっても砲金か真鍮みたいな金属と思われるから、ローターよりは大分軟らかいと思いますが、ローターの方はどの位まで使えるのでしょう、一般的には1/2tでしょうかね。宜しくお願いします。
リキマルさん、こんにちは。
確かに国産車はローターの交換が不要といって良いほど、素晴らしい耐久性がありますね。
一方、欧州車は高速域からの制動力や耐フェード性を最大限に重視し、ローターを減らしてでも食いつきの良い柔らかい素材でローターを設計しています。
ブレーキダストでの汚れに難儀しますが、異国の環境に合わせて作られたものですので、割り切って使ってます。
さて、私のマウンテンバイクのローターですが、新品時は2.0mm。これが1.5mm以下になると交換だそうです。
記事中にもありますが、私の自転車のローターは、すでにその摩耗限界をかなり下回っていますので、この冬には交換を予定しています。
ローターが減りすぎると、キャリパーのピストンが飛び出すぎて良くありませんし、最悪、ローターが割れたら怖いですもんね^^;
こんばんは、バーニアを読みますと確かに1.39ですね。後ろが1.35ですから、樹脂もメタルもローターへの負担はほぼ同じですね。(後輪のみメタルと記載あったような?)パットの持ちは、どうですかネットショップの店長さんはメタルは長持ちすると言っていましたが‥。かげさんのローターはスリットが入っていますから、余り減らすと怖いですね。
4回交換で、あ違うは3度目でここまで減ったですね。自転車の場合は一般的に後輪の方がパットの減りが速いから、(私の場合だけかな)前後輪同時に交換となればメタルの方が長持ちしている事になりますね。
リキマルさん、こんにちは。
確かにメタルのほうが、感覚的ではありますが、2~3割程度、長持ちする感じです。
それが、後輪に使っている理由のひとつでもあります。