パワステオイルの交換は、ほんとうに必要ない?のでしょうか。
また、交換するとすれば、時期の目安や交換方法は、
どのように考えておけばよいのでしょうか?
メーカーは、パワステオイルの交換については、指定していませんが、
私は、車を少しでも長く大切に乗りたいのであれば、
やはり交換は必要だと感じています。
ここでは、私の長年のサンデーメカニック経験から得た、
パワステオイル交換に関する薀蓄(うんちく)を、まとめてみました。
あなたの、カーライフの一助になれば嬉しいです。
交換の必要性について
パワステオイルの役目は、ふたつあります。
- ステアリングラックを動かすための油圧伝達媒体
- パワステポンプの潤滑
役目が、1項だけであれば、交換しなくてもいいと思いますが、
2項があるために、交換はしたほうが良いということになります。
では、どのようなタイミングで交換すれば良いのでしょうか。
交換の時期は?
次のような症状が出た時は、交換のタイミングのお知らせと考えます。
- パワステオイルに汚れが目立ってきたとき
- ステアリング操作時に異音がしたり、違和感を感じた時
1項についてですが、これは操舵の頻度に左右されます。
街中の右左折の多い道で、頻繁にステアリング操作をするような乗り方では、
汚れが早く出ます。
高速道路などを利用した、連続しての直進走行が主体ならば、
さほど汚れることもありません。
大体の目安とすれば、
5万km以上、10万kmまでの間に行えば良い
と考えています。
車をどれだけの期間や距離、使うかにもよるのですが、
一般的な基準を適応するならば、
購入から売却までの間で、1度だけ交換する
といった感じになります。
2項のような症状を感じた時は、即行で交換することをおすすめします。
具体的な症状としては、
- 冷間時に、ウーンといった感じの「うなり音」がする
- ハンドルを切る時に、わずかに引っかかるようなところがある
などです。
このような場合は、パワステオイルがかなり劣化しているか、
あるいは、油圧経路やパワステポンプに、何らかの異常が発生している
可能性もあります。
DIYでの交換に、少しでも不安があるならば、ディーラーなどに
交換(あるいは点検)を依頼するのがよいでしょう。
交換方法
交換方法は、大きく分けて2種類の方法があります。
- 油圧経路のどこかを切って排出する「完全交換方式」
- リザーバータンクのオイルを交換する「希釈交換方式」
1項でやると、少量のオイルで、すっきり交換できるのですが、
作業の難易度が高いため、これはDIYでは少し大変な作業となります。
ここでは2項の希釈交換方式について説明します。
これは、非常に簡単で、DIYで楽しく作業することができます。
準備するもの
パワステオイル
希釈交換方式の場合は、約2リットルほどあれば、
全体の3/4ほどを入れ替えることができるはずです。
使用するオイルは、一般的には
ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)ですが、
特殊なオイルを使う車種もありますので、
事前に、取扱説明書などで、確認するのがよいでしょう。
カー用品店では、パワステ専用オイルが販売されています。
いろいろグレードがありますが、なんでもいいです(^^ゞ
私の車は、パワステオイルとしてATFのD-Ⅱグレードが指定されています。
手持ちのATFはD-Ⅲグレードなんですが、気にせずこれを使ってます。
値段的にも安いものなので、20L缶でまとめ買いしてます。
ポンプ
リザーバータンクの中の、パワステオイルを、抜き取るのに使います。
写真の上は、注射器形です。
下はシャンプーなどの容器についているハンドポンプです。
ホームセンターなどで、大きなスポイト状の吸引機を入手してもいいです。
これ以外に、空のペットボトル(500ml)があれば便利です。
抜き取ったオイルを入れて、色の変化をみるのに使います。
スパナなどの、工具が何もいらない、って楽勝ですね(*^^)v
交換の手順
手順は簡単で、以下のようになります。
- リザーバータンクのパワステオイルを吸い出す
- 抜いた量と同量の、新しいオイルを入れる
- ステアリング操作をする
- 上記、1~3を数回繰り返す
各項をもう少し詳しく説明します。
私はエンジンを止めた状態で、リザーバータンクの
パワステオイルを、できるだけたくさん抜き取っています。
エンジンをかけ、ステアリング操作をして、
パワステオイルを循環させます。
据え切りするならば、ロックtoロックで3~4回行いますが、
私は、近所を一周走るようにしています。
あとは、この手順を繰り返します。
繰り返す回数は、何度でもいいので(1回だけでもよい)、
納得できるまで、お好きな回数を行ってください。
ちなみに、私は、4回やってます。
私の車は、パワステオイルの総量が1.2リットル、
リザーバータンクの容量が0.4リットルほどなので、
4回繰り返すと、総量の3/4くらいは新しくなる計算です。
ご参考までに、それぞれの交換で抜けてきたオイルの、
色の変化を写真で紹介します。
左のペットボトルに入っているのが、抜いたオイル。
右のカップに入っているのが、新しいパワステオイル(ATF)です。
元は、同じ色だったのですが、ほぼ真っ黒状態になっているのが分かります。
少しだけ、赤みが増しましたが、まだかなり黒いですね。
ようやく、赤みが差してきました。
かなり赤い色が明るくなってきました。
左のカップは、これを少し移したものですが、一枚目の写真と較べると、
それでも、黒いことは黒いです。
やりだすとキリがないので、ここで作業は完了です。
効果はあるのか?
体感できる効果は、ほとんどありません(^▽^;)
昔、乗っていた車で、10万kmを超えてから初めて
パワステオイルを交換したことがあったのですが、
その時は、冬場の冷間時のうなり音が、少しマシになりました。
ハンドルの軽さや、切れ具合については、
何も違いを感じることはありませんでした。
最近は、予防的に交換しているのですが、交換直後は、
なんとなくスムースになったような気がします。
このように、
気持ち的にスッキリとする
ことも、大きな効果のひとつではないでしょうか(●^o^●)
さいごに
最近の新しい車では、電動パワステが一般的になりつつあり、
これは、オイルの交換作業は不要の構造です。
油圧パワステのパワステオイル交換という整備は、
今後、減少の一途をたどると思いますが、それだけに、
古い車には、必須のメンテナンス項目となっていくことでしょう。
パワステオイルは、エンジンオイルのように、
定期的な交換の必要はありませんが、やはりそこは機械のこと。
まったくの、ほったらかしはよくありません。
ミッションオイルも、ほったらかし説が唱えられるようになってきましたが、
これも、交換しないよりは、交換したほうがいいです。
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さいわい、パワステオイルの交換は、簡単にDIYで出来ます。
DIYでやると工賃もいらないし、ATFは値段も張らないので、
サンデーメカニックには、うってつけの整備ではないでしょうか。
なによりも、精神的に安らぎを感じることができることが、
サンメカ派には嬉しいですね!
私もその安らぎ欲しさだけで、交換してるかも(*^^)v
以上、ご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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