エコタイヤ、あるいは低燃費タイヤという言葉を、よく聞くようになってきました。
エコタイヤは、転がり抵抗が少なく、車の燃費向上に貢献することは
間違いないのですが、同サイズの通常タイヤに比べて、割高です。
エコタイヤを装着すると、どれくらい燃費が良くなるのでしょうか?
その効果で、タイヤ差額の元は取れるのでしょうか?
また、安全に直結するグリップ性能(特にウェットグリップ)に
ついては、どの程度の性能を持っているのでしょうか?
それは、エコ性能と両立するものなのでしょうか?
エコタイヤの装着を検討すると、この2点が気になるものです。
ということで、エコタイヤの、燃費とグリップ力との関係や、注意点
について、分かりやすくまとめてみました。
実際の燃費やグリップ力を測定!
私の場合、エコタイヤのような、新しいモノが出てくると、
まずは自分で使ってみなくては、気がすまない性分です(^▽^;)
国産B社(まるわかりですね^^)の、エコタイヤを、
2009年から2012年までの3年間、距離にして5万キロにわたって
使ってみました。
2009年時点は、タイヤのラベリング制度(これについては後述)が、
まだありませんでしたが、この当時、鳴り物入りで宣伝されていた
最高級モデルのエコタイヤでした。
わが家で、足代わりに乗っていた、軽四輪車(ターボ付き)用で、
サイズは、155/55-14でした。
価格は、同サイズの同グレード品に比べて、2500円/本ほど高かった
と記憶しています。
結果は、こうでした。
燃費 約1km/l弱向上した
このタイヤを装着するまでは、概ね、
17km/lだった燃費が、18km/l近くまで向上しました。
タイヤメーカーから公表されている、エコタイヤの燃費改善効果は、
5%前後との事ですので、ほぼそれと同じ効果があったと言えます。
これで計算すると、5万キロ走行で、160リットルほどの
ガソリンを節約できたことになります。
ガソリン価格を150円/lとすると、24,000円ほどの節約ができており、
購入時の差額、2,500 X 4 = 10,000円は充分に回収できている
と思われます。
タイヤにより、性能差はあるのですが、殆どのタイヤメーカーが、
「元はとれます」と言っているので、普通に使う限り
間違いなく燃費は良くなり、高い買い物ではないと言えます。
ところが、いいことばかりではありませんでした(-_-メ)
グリップ性能 ウェットグリップが弱い
ドライグリップで、問題を感じることはなかったのですが、
ウェットグリップは相当貧弱で、何度も「ドキッ!」と
させられました。
特に、タイヤが摩耗してきてからは、ひどかったです。
「たったこれだけのことで滑る?」というくらいで、
誰が運転しても、感じることができるレベルでした。
そのお蔭で、雨の日は必要以上に安全運転ができて、
良かったと言えば良かったんですが(^o^)/
エコタイヤの性能はどこでわかるの?
世の中には、私と同じような恐怖や、疑問を感じていた人が、
山のようにいたようで、「エコタイヤの性能はどうやねん?」ということが、
ちょっとした社会問題になりつつありました。
そのような背景もあり、2010年1月から、
JATMA(日本自動車タイヤ協会)が、ラベリング制度というものを作り、
タイヤメーカーに対して、性能表示を求めました。
この制度は、タイヤの低燃費性能とウェット性能を、公正な検査基準に
従って指数化し、それをタイヤに表示しましょう、という内容のものです。
こんな感じで、表示されてます。
低燃費性能では、「A」以上のものが、低燃費タイヤを
称することを許され、左側の「低燃費タイヤ」マークが付与されます。
当たり前のことですが、
- 低燃費性能で、「AAA」
- ウェット性能で、「a」
であるほど、いいわけです。
ところが、この二つの重要な性能は、二律背反する特性を
持っており、両立させることは、技術的にかなり難しいのです。
これは、直感的に分かりますよね。
- 転がりをよくする→反発弾性の高いプリプリしたゴム
- グリップをよくする→摩擦係数の高いネバネバしたゴム
みたいな感じで、ゴムの特性が大きく変わります。
なので、エコタイヤを選ぶ時の、注意点が生まれます。
エコタイヤを選ぶときの注意点は?
今、もっともエコ性能が高く、「AAA」表示がされているタイヤは、
ウェット性能は、「 c 」と表示されているものが大半です。
ウェット性能を重視して、ここに「 a 」をチョイスすると、
エコ性能は「 B 」となります(ノД`)・゜・。
B、ってことは、すでにエコタイヤじゃないってことですよ(T_T)/~~~
どちらを重視するか?という問題に直面しますので、
ここが、購入時に慎重に見極めなくてはならない点です。
近年の技術革新によって、この二律背反する性能を、
どちらも高めたエコタイヤも、僅かですが、お目見えしてきました。
でも、価格がドーンと一気に上がるんですよね(≧◇≦)
多分、ですが、元が取れないくらい(T_T)/~~~
私見ですが、選び方としては、
ウェット性能で、「b」を固定し、
その範囲内で、
できるだけ低燃費性能の高いタイヤ(Aの数の多いタイヤ)
をチョイスするのがいいと思います。
エコカーで注意してほしいこと!
さて、ここまで説明してきた、ラベリング制度なんですが、
リプレイスタイヤにしか表示されません。
つまり、新車に装着されているエコタイヤには、
何も、性能に関するラベリングがされていないのです。
ご存知のように、今、新車の開発は、激しい燃費競争に
さらされています。
当然、タイヤの低燃費性能も、極限まで高められます。
自動車メーカーは、タイヤメーカーと共に、新車用としてタイヤも同時に
開発しますが、そのタイヤの安全情報は、公開されないのです。
その結果、多くの自動車評論家や、一般のドライバーが、
「雨で滑りやすいで~!」と、不満を感じている事実があります。
誤解を恐れずに言うと、エコカーの新車に装着されているタイヤは、
- 低燃費性能 「AAA(+)」
- ウェット性能 「 d 」
くらいではないかと感じています。
もしすでに、エコカーを新車でお乗りの方は、
早めに、ウェット性能の良いエコタイヤに交換する
ことを、おすすめしたいと思います。
最後に
さて、また私事で恐縮ですが、最後に私が実施している
低燃費対策を紹介します。
アジアンタイヤのハイエンド品を選び、
空気圧を指定より20%高めて使う!
アジアンタイヤといえども、フラッグシップモデルは、
充分なグリップ性能を持っています。
転がり抵抗は、コンパウンドの特性以上に、
空気圧に強く影響を受けるので、ここを目いっぱい高めて
乗っています。
そして、6~7分山くらいになった時点で、
新しいアジアンタイヤに交換していってます。
アジアンタイヤの価格は、国産タイヤの半分以下なので、
安全上の「おいしい」部分だけ使っても、トータルでは経費的に
低く抑えられますよ\(~o~)/
最後の最後に、一番重要なことを。
燃費に一番影響を与えるのは、
あなたの運転方法です!
タイヤを極める以上に、ここを極めたいものですね。
以上、ご参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
記事内容で、わかりにくところがあれば、この下の「コメント記入欄」よりお尋ねください。ご意見・ご感想も大歓迎です。お気軽にお寄せください。
また当ブログ管理人の好きな「のりもの」関係の記事は、トップページ最上段に目次ボタンがあります。よろしければ、そちらから他の記事もどうぞ!
この記事と関連の深いページはこちら