兵庫県立粒子線医療センターでの治療を、検討されている方への情報です。
入院の費用や、アクセス・宿泊情報、センター施設などについて記載しています。
父が2013年の9月~10月の間、兵庫県立粒子線医療センターで入院、
治療を受けました。その時の経験から、ここでの治療を検討されている方に、
情報提供できればと思い、この記事を書いてます。
センターのホームページからだけは、分からない情報を中心にして
まとめました。ご参考になれば幸いです。
写真は、こちらに、まとめて添付しています。
(*写真を見終ったあとに、こちらにワンクリックで帰ってこれます)
また、粒子線治療については、このセンターで学んだことを
別の記事にしています。よろしければ、そちらも参照してください。
粒子線治療 陽子線と重粒子線の違いは?
治療費、入院費用など
粒子線治療費として、2,883,000円です。
健康保険の適応はありません。
高度先進医療保障のついた、民間の医療保険に加入していると、
保険金支払いの対象となります。
治療費が高額なため、無利子の粒子線治療資金貸付制度があります。
貸付条件については、兵庫県立粒子線医療センターのホームページに
記載がありますので、そちらを参照してください。
粒子線治療回数は、対象疾患によって変わり、
8回から39回までありますが、すべて同じ治療費です。
何らかの理由により、治療が中断されても返金はありません。
入院費用、診察費、薬代などは、健康保険の対象となります。
私の父は、個室での入院でしたが、入院費用は、1日13,000円でした。
治療のない日は、外泊(帰宅)できますが、その時の入院費用は
(個室を使いっぱなしにしていても)、かかりません。
治療について
粒子線を当てるのは、1日1回だけで、実際に照射している時間は数分です。
体を固定したりする準備などを含めても、治療時間は、トータルで30分/1日ほどです。
治療は、痛くも、痒くもないそうです。
治療棟は、厳密なICカードによる入退室管理がなされており、
入院患者以外は、一切立ち入ることはできません。
治療は、ウィークデーだけで、土日祝祭日はお休みです。
また、月に1度、設備のメンテナンスのために、4~5日間、
治療がストップする期間があります。
治療の効果
もっとも気になる、治療の効果ですが、ひとつはっきりしていることは、
即効性はない、ということです。
粒子線を当てても、がん腫瘍が雲散霧消することはなく、
たとえがん細胞が全部死滅しても、それが代謝されて消えるまでには、
長い時間が必要なようです。
症状の改善にも、かなりの個人差があるらしく、早い人では、
治療後の1~2か月で、効果を自覚できることもあるそうです。
父の場合、2年から5年くらいは、様子を見ていくことになりました。
治療後も、痛みや神経障害などは、長期間、残ったままになるか、
あるいは、それらが消えないこともあるそうです。
退院後も、紹介元の病院と主治医さんには、ずっとお世話になるわけです。
外科手術や抗がん剤治療のように、著しくQOL(生活の質)を
落とさなくて済むことが、最大のメリットかもしれません。
アクセス
車の場合は、問題ありません。
中国道で来られる方
佐用ICが分かりやすく便利です。
→山崎ICは、道が分かりにくいです。
山陽道で来られる方
播磨新宮出口から5分ほどで到着します。
→播磨自動車という(播磨科学公園のためだけにできた)道路を経由すると、
終点が播磨新宮です。
電車で来られる方
JR相生駅となります。
→ここから、1時間に大体2本の間隔で、バスが出ています。
神姫バスの、スプリングエイト行きで、「粒子線医療センター」という
バス停で降車となります。常にガラガラなので、ゆっくり座れます。
料金は高めで、片道670円です(2013年10月時点)。
宿 泊
兵庫県立粒子線医療センター内は、入院患者以外は宿泊できません。
遠方から来られる方で、前日に宿泊を希望されるならば、
JR相生駅から徒歩3分以内に、三つのホテルがあります。
- 相生ステーションホテル
電話: 0791-24-3000 - 相生ステーションホテルアネックス
電話: 0791-24-3000(ステーションホテルと同じ番号です) - 東横イン相生駅新幹線口ホテル
電話: 0791-24-0044
センター周辺には、ホテルや民宿はありませんので、
入院患者の付き添いをする場合も、上記のホテルを利用することになります。
センター周辺
緑に囲まれて、環境は抜群ですが、とにかく何もありません。
センター内は、外部の人が食事のできるレストランがありません。
売店はありますが、これもお昼をはさんで、1時間30分だけしか開店しません。
徒歩で、5分ほどのところに、兵庫県立西播磨総合リハビリテーション
センターふれあいスポーツ交流館という、施設があり、そこに
大きなレストランと売店があります。
付き添い者は、ここで食事をするのがいいです。
最も近い商業施設は、車で5分(バスもある)ほどのところの「光都プラザ」です。
ここには、コンビニやレストランなどがあります。
また、郵便局、散髪屋、歯医者などもあります。
車がないと、相当不便であることは否めません。
センター内の入院施設など
これは、抜群にいいです。入院経験者の方の評判もいいです。
見舞客は、だれでも「私もここに入りたい!」と言うくらいです。
看護師さんの、ホスピタリティも、とてもいいです。
入院初日には、センターの設備や、生活についてオリエンテーリングを
してもらえます。
ベッド数は50床で、個室×14部屋と、4人部屋×9部屋です。
個室は、ホテル並みです。ユニットバス付で、収納スペースも十分です。
4人部屋も、プライバシーの確保や、採光に工夫が凝らされており、
病室というイメージではないです。
病院のイメージではなく、きれいな保養所のイメージとお考えください。
パジャマで、歩いている人はおらず(禁じられている)、
誰が入院患者なのか、分からないほどです。
入院病棟には、談話室や和室があり、フリーWiFiスポットと
なっていますので、スマホやパソコンもWiFi接続で、不自由なく使えます。
誰でも自由に使える、デスクトップ機もあります。
入院患者の食事は、父によると「今までの病院で、ナンバーワン」とのことで
美味しいそうです。
食堂では、コーヒーサービスがあり(150円/1杯)、ここでも自由に
歓談することができます。
入院患者さん同士でも、仲良く話をされています(特に女性同士は)。
また、韓国、台湾、中国からも、治療に来られている方がいるようです。
以下、写真で紹介します。
写 真
以上、お役に立てば幸いです。
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食道癌で、副作用で肺気腫になり酸素吸入してます。
かかりつけの担当医に話して、そちらの治療許可もらいたいのですが、治療受けられますか?
小林さん、こんにちは。
コメントいただき、ありがとうございます。
>かかりつけの担当医に話して、そちらの治療許可もらいたいのですが、治療受けられますか?
→粒子線治療は、現状では得意とする部位は「動かないところ」だと理解しています。
食道がどの程度粒子線治療に適しているのかは私にはわかりませんので、治療の可否は担当医さんの判断となります。担当医さんに希望を伝えて、よく相談されてみてください。
ご回復されますことを、心よりお祈りしております。
こんばんは、なんかホテルみたいですね。 ちょっと行ってみたいですね。ここ一ヶ月半ばかり、ばあさんが日赤へ入院していたので、そこのレストランで 色々食べてみましたが、結構美味しかったです。 ある方から血液中の酸素量測定器を頂いたので、その内UPしますね。
ちょいと脱しますが、今日孫の音楽会を聴いて来ました。 またジジバカシリーズですが、校歌を主に、数分間をUPしましたので ご案内致しますが、期待しないで聞いて下さい。
リキマルさん、こんにちは。
ほんと、ホテル以上の快適さと言っても良いくらいの感じでした。治療のために入るのではなく、休息のために入れるのであれば最高です。
>ある方から血液中の酸素量測定器を頂いたので、その内UPしますね。
→興味と関心があります。楽しみにしています。
>校歌を主に、数分間をUPしましたので
→拝聴しました!
とても良かったです。コメントはあちらに。
主人が眼窩腫瘍で手術は出来ないと診断されました 重粒子・陽子線を受けてみたいのですが 主治医になって頂ける先生に(失礼かもしれませんが)差はあるのでしょうか 以前大学病院に紹介をして頂いた時専門の部分ではなく 再度別の日となり 日にちが遅れていってしまい 病気の進行に影響があるのでは・・とハラハラしました。名古屋から伺おうとしているので よいアポイント方法はなにか アドバイスして頂けると嬉しいです 3日後に別の病院を紹介して貰っているので 再度手術できるかを診てもらう予定ですが もし手術できたとしても 眼を摘出の可能性が大きいので そうではない治療ができる可能性があるなら 是非試してみたいと・・・ 現在の担当医は選択肢として説明してもらっています
いろえんぴつさん、こんにちは。
コメントいただき、ありがとうございます。
>重粒子・陽子線を受けてみたいのですが 主治医になって頂ける先生に(失礼かもしれませんが)差はあるのでしょうか
→私の父の場合は主治医の先生はお一人だけだったので、差があるのかどうかはわかりませんでした。
ただ、こと重粒子線治療のような高度先進医療分野においては、どの先生もその道のエキスパートですので、診療や治療方針には差はないと推測しております。
治療する部位によっても、主治医となる先生は変わると思います。
まずは現在の担当医さんとじゅうぶんに相談され、状況をヒヤリングされることをおすすめいたします。
いろえんぴつ です 主治医から資料貰って 行ってきました いろいろ不安は有りますが
治療うけてみる方向です。 お父様はその後はいかがですか?
いろえんぴつさん、こんにちは。
治療を受けてみられるんですね。お金はかかりますが、侵襲の少ない良い治療だと思います。
父のその後ですが、仙骨にできていたこぶし大の腫瘍が、治療後2年経った今では15%ほど小さくなっているそうです。
治療を受けていなかったら腫瘍は成長し続けているはずなので、やはり大きな効果があったのだと感じています。
ただ治療を受けて上手くいっても、腫瘍は一気に消え去るのではなく、長い時間をかけて少しずつ小さくなっていくのだそうです。
父の場合は、腫瘍が腰部のいくつかの神経を圧迫して自力での排便や排尿ができなくなっているのですが、それが治療で治るということはありませんでした。今より悪くなるのを食い止める治療という印象です。
以上、何かのご参考になれば幸いです。ご主人の回復をお祈りしております。