世間で、大きな疑惑事件や、詐欺事件が起こると、
新聞やテレビニュースで、信憑性(しんぴょうせい)という言葉が、
頻繁に飛び交います。
ところが、このようなマスメディアの報道であっても、
信憑性という言葉の使い方に、「あれ?」と感じることが
あります。
信憑性はどのような意味で、どのように使われるのでしょうか。
この言葉にについて、詳しくリサーチしてみました。
広辞苑での意味
まず、シンプルな部分から。
信じ頼ること。信頼。
同義語として、「信頼」が挙げられています。
これに、態様を表す「性」が付くと、
自供、証言などの信用できる度合い。
人の言葉に対する「信用」ということですね。
漢字の意味
信憑性という言葉の意味と正しい使い方は、ここで使われている
漢字の意味を知ると、理解が深まります。
①欺かないこと。言をたがえないこと。まこと。
②思い込み疑わないこと。
③宗教に帰依すること。
④伝達のための手段。たより。合図。
この漢字については、説明の必要はないですよね。
①よりかかること。たよること。
②とりつくこと。のりうつること。
この字が難解ですよね。
この字を、大漢語林で調べてみました。
憑の解字:
心+馮。音符の馮(ひょう)は、寄るの意味。
心がたよるの意味を表す。
とあります。
「信+憑」を、漢字の意味から正確に考えると、
「信じて、心をたよらせること」ということになります。
物質的なものを信じるよりも、精神的なことを信じる、
というニュアンスが、強い言葉なんですね。
この「憑」については、「憑依」という単語でなじみがあります。
例えば、
・彼女には、悪霊が憑依している
などと、言いますが、これなどは、まさに「憑」の持つ
スピリチャルな意味を、強く感じさせてくれますね(怖)
ここから、「信憑性」という言葉は、モノではなく
人に対して使われるべき言葉、ということになります。
モノに対しては、同義語の「信頼性」が適切ですね。
正しい使い方
人が口にした言葉や、行為の「信用度」に対して使います。
・彼女の話は、信憑性に欠ける
・彼のアリバイは、信憑性が高い
人の言動に対して、使われているので、正しく使われています。
モノが対象になると、こんな感じになります。
・トヨタの車は、信憑性が高い
・私のスマホは、信憑性が薄い
とは言いませんね。この場合は「信頼性」です。
間違えやすいのは、人でもモノでもない場合です。
例えば、情報、データ、著作物などです。
・この機械が計測したデータの信憑性は高い
これは厳密にいえば間違いです。
精神的にたよりにする心を持った相手が、どこにも存在して
いませんからね。
ところが、
・彼が検証したデータは、その信憑性が疑われている
となると、これは意味が通ります。
信憑性の対象が、「彼の検証」という行為にかかるからです。
ちょっと、ややこしいですね。
まとめ
信憑性の出所が、人なのか?それ以外なのか?
そこを見極めることが、この言葉を正しく使えるか否かの
分かれ目です。
話し言葉では、そこまで気を使う必要もないと思いますが
公式な文書では、意識するほうが良いと思います。
信憑性という言葉が、これだけよく聞かれるようになったのは、
あやしい発言をする人が、増えたことの証左かも知れません。
そして、数字やデータが人間並みにパワーを持ち始めたので、
用法が混乱して来ているのではないでしょうか。
将来、数字や機械に「信憑性」が使われて、
人に「信頼性」が使われる時代が、来るかも知れませんね(笑)
以上、ご参考になれば幸いです。
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こんばんは、信ぴょう性ですか、かげさんのサイトのどこかで私すでに使った様な気がします
こんなに詳しく書かれますと、何気なく使ったのでちょっと自信がありませんが、物品に対しては、信頼性を使いますから、使い方は多分大丈夫と思います。
さて置き何故このようなページが出来たのかには、興味があります。何故ですか?
リキマルさん、こんにちは。
この記事ですが、自分が「アレッ?」と思ったことがきっかけでした。
ブログを始めた頃は、日常生活で感じた疑問などを調べて、それを記事にすることが多かったです。
(当時書いた記事は、もうかなり削除してしまってます)
それがだんだんと、趣味の世界に暴走(笑)
おかげでリキマルさんとも仲良くなれました^^