自転車の空気(仏式バルブ)の入れ方!仏式ロードバイク用チューブを極める!


スポーツサイクルの雄、ロードバイク

その軽い走りを支えているのは、高性能・高圧仕様のタイヤとチューブであることは、ご存知の通りです。

軽い走りの決め手となる、「高圧」を支えるロードバイク用チューブには、例外なく、仏式バルブ(フレンチバルブ)が使われています。

仏式バルブは、単体でみてもデリケートな部品ですし、チューブ全体としても、取り扱いには、慎重を要します。

ロードバイクを購入して、最初に突き当たる難関が、この仏式バルブの付いたチューブの取り扱いではないでしょうか。

 

仏式バルブ付チューブへの空気の入れ方

を極めると、ホイール周りの、不要なトラブルを、大幅に減らすことができます。

ここでは、仏式バルブ単体の、正しい取扱い方法と、さらに発展的に、高圧チューブとしての取扱い方法と、その注意点について分かりやすく、解説していきたいと思います。

 

最初に、各部の正しい名称を覚えましょう。

DSC00816

それでは、レクチャースタートです。

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「基本的な取扱い方法」でチェックすべきこと

以下の動画で、基本的な仏式バルブの取扱い方法を復習しましょう。

まずは、下の動画をご確認ください。
空気の入れ方を分かりやすく解説してみました。

ここで、第一にチェックしておきたい重要ポイントは、動画の開始から20秒すぎに出てくる、「空気の通り道を作る」ということです。

 

ここまでは、良くご理解いただいてると思います。

では、ひとつ目の要チェックポイントです。

 

チェックポイント1
空気を入れる前に、必ずコア芯をワンプッシュする

 


 

もう一点チェックが必要な点があります。それは、コアネジの締め付け具合です。
動画内では1分10秒のところで、説明しています。

コアネジの締め付けすぎは、良くありません。

 

チェックポイント2
コアネジは、指で軽くしめる

仏式バルブは、たとえコアネジを締めなくても、プランジャー(弁体)が、チューブ内の高圧で押し付けられて、空気が止まる構造になっています。

コアネジを強く締めると、プランジャーのステム内部への張り付きや変形が起こり、弁機能が低下する可能性があります。

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「発展的な取扱い方法」でチェックすべきこと

上項では、単に空気を「注ぎ足す」場合のみの説明でした。
これは、さほど難しくはなかったと思います。

ところが、実際に、仏式バルブに空気を入れる時に生じるトラブルは、空気圧ゼロの状態から空気を入れる時が、最も多いのです。

パンク修理後や、新品チューブに入れ替えた直後などが、危ないわけです。

では、それも動画でご覧ください。

 

以下に、具体例を挙げて解説します。

 


トラブル例 その1
空気を入れ終わるころに、プシューとパンクする

調べてみると、バルブベースの横が変形していて、そこが、パンクしているというケースが、これです。

DSC00819

このトラブルが起こる原因は、バルブステムを十分に引き抜かないまま、高圧の空気を入れたことにあります。

バルブベースが、リムに密着していない状態で、空気を入れると、タイヤ内でチューブが異常膨張するのです。

この状態は、以下のイラストでよくわかります。

 

ラバーベース横パンク
(画像引用:パナソニックPT社HPより)

 

これの防止策としては、空気を入れる前に、十分にバルブステムを引き出し、リムナットでその位置を固定してから空気を入れることにつきます。

ここでの、チェックポイントは以下です。

チェックポイント3
バルブステムを引き出してから空気を入れる

リムナットを使って、バルブステムの落ち込みを防止

この現象は、特に、ロングタイプの仏式バルブで起こりやすいです。

ロングタイプを使う、イコール、エアロ断面のナローリムを使う、と言うことですので、必要以上にチューブがタイヤの深いところに、潜り込んでしまうからです。

ナローリムを使っている方は、特に注意しましょう。

 

閑話休題: 私の失敗談

私が、始めて、高性能軽量チューブを使った時に、このトラブルを、連発させてしまいました。

「これは、ひょっとしてチューブの不良品では?」と思い、メーカーのお客様相談室に電話して文句を言ったのです。

で、見事に返り討ちにあいました(*´▽`*)
あなたの、使い方が間違ってますよ!」と。
とても、やさしく、丁寧に(^▽^;)

その時に、メーカーの人から直々に教えてもらった知識が、上に書いたことなんです。

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トラブル例 その2
空気を入れてから、数日後にパンクする

タイヤの中で、チューブがシワになっていたり、捩じれたりしてすると、このパンクが起こります。

高圧仕様の仏式バルブ付チューブでよく起こるトラブルで、ある意味これは、薄いゴム厚で高圧を支えるチューブの宿命とも言える現象です。

これを防ぐ対策は、以下の2点の徹底チェックです。

チェックポイント4
チューブは、タイヤ内に均等に入れる

 

チェックポイント5
空気は、ゆっくりと入れる(特に、入れ始め

多少のチューブのゆがみは、空気をゆっくりと入れていく過程で、矯正されていきます。

コンプレッサーなどで、一気に高圧を入れるのは厳禁です。

チューブが軽く膨らむくらいまで、空気を入れて、そこでタイヤを揉んで中のチューブをなじませてやると、完璧ですね。

 

また、この時、タイヤ内にタイヤパウダーのような滑材を塗っていると、チューブが引っかかることなくこのトラブル回避に効果があります。

下の写真の、タイヤ右半分がタイヤパウダーを付けたところです。

DSC00822

タイヤの内側がすべすべになって、チューブが本来の自然な姿で膨らんでいくんですね(*^-^*)

この商品、ネットで調べてみると、たくさん販売されているようでした。
★楽天市場での、タイヤパウダー販売状況★

 


 

以上で、仏式バルブの取り扱い方法、それが付いたロードバイク用チューブの空気の入れ方、その時の注意点が、お分かりいただけたと思います。

これを、身に付けておけば、出先でのパンクでも狼狽することはないと思います。

もし、タイヤ交換技術に不安がある方は、以下の別記事で詳しく書いてますので、よければ参照してください。

自転車タイヤチューブの交換方法!完全攻略!

ロードバイクのあるサイクルライフを、楽しみましょう!

 

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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10件のコメント

  • リキマル

    こんにちは、あれ‐こんな素晴らしい記事にコメントがない‥? 。おフランスのバルブが余りなじみがないんでしょうか。私も例のコメリの空気ポンプ、最初先端が仏式金具で、(その時はバイクが全て米式だった)先端を米式用に交換の羽目に、外す時ホースを入れる口を折ってしまいました。♦その為仏式バルブに空気を入れる時は、バルブにママチャリ変換アダプターを付けて入れています。(シクシク‥)その内なんとかせにゃ~、内圧見れないし

    さて本題です、ビデオが二つもあり、特に後のビデオはどこか講習会を受けに行った雰囲気でした。(もう講習会の講師さながらですね)
    返り討ちの話も好感を持てます。失敗さくを含めると、お話の内容が♥3倍強調されます。

    コア芯を1回押す、私も訳もなくやっていましたね。コアネジは、私も疑問をもっていました。緩めたままで乗ってきたら大分空気が減っていたし、デリケートの部分なので余り締めると‥、思っていました。

    バルブの口金部分そんなにデリケートなんですね。肝に銘じておきます、リングネジですが付いていたり、なかったり♦本当に要るんですか、ま~付いている場合は軽く回る所まで締めておきますが。♦あ、空気を入れる時に必要ですね、極端に押し込まれたり、曲がったりしないように‥

    • 管理人

      リキマルさん、こんにちは。
      本記事への、初コメント、ありがとうございます^^

      仏式バルブは、おっしゃるように空気入れの問題があって一般的ではないし、それでも仏式バルブを使う方は、理屈がよくわかっているので、コメントもなかったんだと思います。

      この記事はかなり以前に書いて、最初は別の動画を使っていたのですが、最近この動画を作り直して2本にして、記事を刷新したところです。
      最近、動画が講習会風になってしまってて、いいのか、悪いのか^^;

      仏式バルブは、メーカーによって、コアの構造が違っていたり、リムナットもあったりなかったり、いろんな種類があったり。
      記事では、自分の信ずる基本を紹介してみました。

      メーカー毎に、設計意図を聞いてみたいところですが、返り討ちを恐れて、まだできずにいます(笑)

  • リキマル

    こんにちは、ポンプ来ました、パナレーサー楽々ポン(住所:兵庫県 丹波市 氷上町)もしかして、かげさんの近く?それでパナの肩持ちしてるのかな?、良いことですが。コメリのポンプのように仏式専用がほしかったのですが、やはり根元は米式ですね。アダプターで米→仏変換です。私のママチャリ変換と大差なし。(空気圧が常時読めない)空気が入る時のみで、虫ゴムよりは正確だと思いますが、やはり弁を空気で押しているから‥ ま~いいか手でタイヤを押すから、通常は毎回そうしているし。

    • 管理人

      リキマルさん、再びこんにちは。

      パナのポンプを買われたんですね!
      パナレーサーは、私の好きなメーカーで、結構ひいきにしてます。

      この会社の場所は、同じ県内ですが、自宅からはかなり遠いです(車で1.5時間くらいかな)。
      ちゃんと国内で、タイヤやチューブを開発、生産しているところがマルですね(^o^)/

      最近のフロアポンプ事情ですが、ポンプそのものが中国製化しているので、国際標準の米式ベースが増えてきました。

      一部の高級ポンプでは、仏式専用口金も選択できますが、販売者サイドから見ると、汎用性の高い米式が売りやすいんでしょうね。

      アダプターについても、一度、まとめ記事を作りたいと思っています。

  • リキマル

    こんにちは、また序章脱線、うわ~パソコンが起動しない。もう20回やってるぜ!いよいよディスクドライブがダメかな?むムセーフモードの絵が出た。よしヨシこれで何んとかなる ♦まずはスキャンからだな うわ~起動マルウェアがいっぱい入っている。自分でウイルス入れて、削除ソフトを売りつける‥ 、よわったもんだ!削除ソフトで消しても、元が残っている場合があるから、コントロールパネルへ、♦日付で探そう、最近の三つほどあるな、ではアンインストール、や~消せれないようになっている、それでは名前とアクセス先(プログラムファイルス)をメモって、では♦ダウンローダーホルダーとプログラムファイルスから、関連ファイルを手動で消しましょう。更に安全のため当面終了せず、スリープでいきましょう。あ~長かった‥ かげさんゴメンナサイ

    先日はチューブの種類を色々教えて頂きました、1:ブチ 2:高機 3:天然 4:ウレ 5:ノ―パン○ 高性能順に3→2→4→1→5 実はここの記事に書いてあったのかな~とまた移って来た訳です。更に♥楽天Rエアーのハイパーリンクまで、(感激です)例の重量車のチューブは、パナTH261-21LF-RAにきまりです♪、(使用範囲1.75~2.10と広範囲ですね‥ かげさんの記事はもっとシビアだった様な気が‥? リンク先良く見ましたがシクロ用の(31C)バリエーションが分かりませんでした。まだまだ先の話ですから、慌てることはありませんが‥

    • 管理人

      リキマルさん、こんにちは。

      うわー、パソコントラブル大変ですね。
      私は仕事でもパソコンは必須なので、3台を使い分けてリスクヘッジしてます。

      チューブに関しては、新たに材質やメーカーの比較記事を作成しますね。
      チューブは伸び縮みするので、メーカーによって適応サイズの範囲が、結構アバウトだったりしますので、そのへんも情報提供できればと考えています。

      気長にお待ちくださいませませ。

  • シゲ蔵

    管理人さんはじめまして。
    最新のディープリムへのチューブラ装着がとても工夫されていて参考になりました。
    私のチューブラ経験は20年くらい前にピスト車でアラヤのリムにIRCのタイヤをリムセメントで貼ってました。
    今のロードには過去の経験からチューブラは選択していませんでしたが、管理人さんの知識を拝見して選択肢が増えました。
    ありがとうございました。

    • 管理人

      シゲ蔵さん、こんにちは。
      コメントいただき、ありがとうございます。

      カーボン製のディープリムの考えた場合は、軽さ、強度、耐久性など、どれをとってもチューブラー構造に利があるんですよね。

      扱いやすさでクリンチャーを採るか、性能でチューブラーを採るか、という選択になりますが、速さを求めるならやはり後者かと。

      ぜひ最新のチューブラーホイール&タイヤも試されてみてください♪

  • みきちゃん

    管理人さん初めまして、息子のロードバイクを美しいと感じ昨年秋40代半ばにしてロードバイク購入

    休みの日は100K走ったりとサイクルライフにどっぷりはまり3か月の今日この頃でしたがここにきて大スランプ(泣)

    チューブ交換パンク修理に過信もあったのでしょう・・新しいチューブで立て続けにパンク3回、パッチを貼っても他の場所がパンク・・と心が折れかけていたところに管理人さんの記事に出会い目から鱗が落ちました。私と同じようにパンクを繰り返された経験にも勝手ながら親しみを感じました。

    パンク箇所はすべてバルブの裏側の継目のような所からの空気漏れでしたので、不良品ではないかと真剣に疑っていました(恥ずかしながら)
    早速パウダーを購入をし動画を参考にゆっくりと空気を入れることとバルブを押して引っ張ること(今まで全くやってない)を実践してみます。(笑)

    • 管理人

      みきちゃんさん、こんにちは。
      コメントいただき、ありがとうございます。

      ようこそ、ロードバイクの世界に!

      ロードバイクは楽しい自転車なんですが、素性とすれば競技用自転車なので、ちょっと気難しいところもあるんですね。

      気難しい部分では誰もが最初はつまずきますので、そのあたりのところをできる限り情報共有していきたいと思っています。

      記事が少しでもお役に立てば、とても嬉しいです。

      また何かあればいつでもご質問ください!

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